藤田美術館「装」「旅」「禅」作品と庭


2023年5月、はじめてこの美術館を訪れ観覧しました。館内の作品は撮影可でした。私が興味を持った作品と庭園の風景を載せます。

藤田美術館と言えば何と言っても国宝・曜変天目茶碗ですね。曜変天目茶碗は観覧順路の最後の方「禅」というテーマのコーナーに展示されていました。
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現在、世界中で完成形で存在する曜変天目は、日本にある三碗のみです。京都・大徳寺龍光院、大阪・藤田美術館所蔵の各一碗と東京・静嘉堂文庫美術館で、すべてが国宝に指定されています。


鎌倉時代、日本から中国へ留学した禅宗の僧侶(禅僧)は、浙江省の天目山周辺の、禅宗寺院で修行をしました。留学を終えた僧が持ち帰った茶碗が天目山から来た茶碗=天目茶碗となったと伝えられています。茶碗は中国のものですが、名前は日本でつけられました。


藤田美術館の曜変天目は、中国南宋時代、12~13世紀につくられていますが、現代の陶工たちが様々な研究を重ね技術を駆使してその再現に挑んでも、未だ当時の水準に至るものはあらわされていません。

曜変という偶発性こそがまさに神業です。人間の意図を超越した力が加わって生まれ出たものと言えます。

●絵画作品

入ってすぐが「装」のテーマで、正面に飾られていたのが宮川長春の「立美人図」(江戸時代・18世紀)です。

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同じ宮川長春の「美人文殊普賢図」(江戸時代・18世紀)
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髪の毛の細い線の描写が際立っています。

次に「旅」のテーマです。

狩野山雪「夏冬山水図」の「冬」の絵です。
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雪の山道で牛に乗った旅人から哀愁が漂います。しかし旅の目的地は近い。


国宝 玄奘三蔵絵 第2巻第2段

中国・唐時代の高僧・玄奘三蔵(600/602~644)の生涯を全12巻の絵巻に描いていますが、仏教の修行のために歩んだ中国からインドへの旅路や出来事が詳細に記されます。

この絵巻は鎌倉時代の日本で、宮廷の絵画制作をになう絵所(えどころ)の絵師たちを率いて高階隆兼が描いたと考えられているそうです。

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この場面ではインドを目指して、道しるべもない砂漠をたった一人で進む玄奘が描かれます。

●庭園・他

最後に庭園の風景を写真で紹介します。あいにく途中で雨が降り出す天気でしたが、少し日が差したときに写しました。

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入口の前で抹茶と団子をいただくことができます。税込500円。

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現代作家が作った井戸茶碗でいただいたが味わい深かった。


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