「大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ」が国立新美術館企画展示室2Eで開催中です。(2023.11.1~12.25)
大巻伸嗣(1971年岐阜県生、神奈川県在住)は、「存在するとはいかなることか」という問いを掲げ、身体の感覚を揺さぶるような大規模なインスタレーションを創り出してきた現代美術家です・・・・(国立新美術館大巻伸嗣企画展サイトから)
※企画展入場料無料
※作家プロフィール等は美術館サイト参照
今回、大作2点をいくつかの画像で紹介したいと思います。
■≪Gravity and Grace≫ 2023年 ステンレス LEDライト 展示空間50×8×8m
2016年に最初に発表された≪Gravity and Grace≫の最新バージョンです。
※作品のタイトルは、フランスの哲学者シモーヌ・ヴェイユの箴言集「重力と恩寵」に由来するそうです。ヴェイユによれば、重力に縛られた私たちは、真空を受け容れることにより、神から恩寵を得られるといいます。
花や鳥などの自然万物の造形が、巨大なステンレスの壺状の物体に切り抜かれています。
なるほど、シルエットとなった造形物は天に向かって立ち上っていくようでもあります。
中に配置された複数のLEDライトがゆっくり回転しながら上下に移動することで、光と影が交錯して周囲に幻想的な空間を演出しています。
■≪Liminal Art Time-Space 真空のゆらぎ≫ 2023年 布、ファン、ライト ・展示空間/24×21×8m ・布/36.8×15m
薄い布がファンで起こされた風にゆらぎ、ほのかな光に照らされて千変万化の形があらわれます。
作者の大巻伸嗣は大学で彫刻を学んでおり、この作品も「運動体としての彫刻」ととらえ、鑑賞者との関係や、鑑賞者への心理的な効果を意識して制作しています。
観る者によってさまざまなイメージが抱かれると思いますが、私は、この部屋に入った瞬間、この布の動きがまるで「大波」がスローモーションで押し寄せては引いているように感じました。
「波」は重力や海流や風などの動きによってつくられます。このインスタレーションの動きに身をゆだねてみれば、地球や宇宙の律動を感じ取れるような錯覚をおぼえます。
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